2009年12月30日

組踊「花売の縁」 3

薪取が森川の子の様子を語りますが、仕事がうまくいかずに可哀そうだったとのこと。近頃は姿を見かけなくなったと聞き乙樽と鶴松は悲しみにくれます。
塩屋田港(しゅやたんみゃ)の村へ行けば様子を知ることができるかもしれないと言われ二人は村へ向かいます。
村に着くと花売りと出会いますが実は森川の子であります。
乙樽は気づき花売りに笠を取って踊り踊るよう所望します。
そして梅の花を一つ持ってくるよう頼み森川の子が持って行くと妻であることに気づきあわてて小屋へ逃げて隠れてしまいます。
乙樽と鶴松に呼びかけられようやく出てきます。
鶴松が森川の子のもとへ走って行き感動の対面をはたします。鶴松の健気さが伝わってきて感動する場面です。
揚沈仁屋久節(あぎじんにゃくぶし)にのって3人は戻ってゆき幕はおります。

花売の縁は親子、夫婦の情愛を描いた世話物の親しみやすい組踊です。
猿のユーモラスなしぐさに笑い、薪取の枯れた味に引き込まれ、森川の子の勇壮な踊りに見入り、鶴松の健気なかわいさに打たれ、見どころが多く面白い組踊です。
使われてる曲も聴きごたえのある曲ばかりです。仲間節、長金武節は情緒のある歌詞です。猿引が登場するときの大浦節は楽しい曲で猿と猿引の踊りも楽しげです。薪取が登場する時の伊計離節も情緒があります。
森川の子が踊るせんする節は士族である森川の子の哀れな気持ちをよく表しています。
二揚げ曲の干瀬節と立雲節は地謡の声の聴かせどころです。


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Posted by takachiyan at 23:13│Comments(0)組踊
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